本社に来て、先輩社員2人を見ていて学ぶことがある。
物事を伝えるには、相手の状況や立場、今日の精神状態や健康状態までも加味して伝えることが必要だということ。
つまり、話すには前提条件の違う仲間に話すのだという姿勢を持たなければならないという事。
このことは私のHPのディスカッションつれづれ草にも書いてあったが、忘れていた。ディスカッションとは?前提の違う仲間が、ある一つの答えを出すために話し合う行為であると言うこと。
先日、企画の背景や前提を営業部に理解してもらわないと立ち上がらないという思いから、プレゼン資料を作った。パワーポイントで、どのような背景でこの企画が立ち上がったかと、この企画の使い方と、今後の展開についての資料だ。
早朝会議後、エリアマネージャー向けの説明をするつもりであった。上司にも同行してもらい、サポートをお願いした。上司がAMの事を見るなり、「みんな長丁場の会議の後で疲れてるな、伝わらないんじゃないか」と一言。
確かに、疲れている人の脳に概念的な話を刷り込んでいっても、効果が無かったかもしれない。
その一言を受け、せっかく準備した資料であったが、冷静になり、AMたちがどんな情報が欲しいだろう?その情報から、徐々に概念理解に持っていける方法はなんだろう?と言うことを考えた。
プレゼンの内容は、用意したものとはまったく違ったものとなった。
「皆さんお疲れのようなので、概念的な話も用意しましたが、この企画を運用する上でのポイントとその事例をお話します。資料は後で余裕があるときにでも読んでいただき質問くだされば幸いです」
とはじめ、この企画の肝である受け入れの重要性と、その受け入れの成功事例と失敗事例をお話した。営業部なので、その成功事例と失敗事例の話がスッと腹に落ちたのだろう。どのAMもうなずいていた。聞く耳を持ってくれた。
もし、自分が用意したのだからと言って、前提を伝えるプレゼンだったら?と考えると伝わらなかったと思う。
同じ部内だと前提を知っているから多くを語らなくても伝わってしまうことがある。それで、自分には伝える力があると勘違いしてしまうことになる。
そうではない。違う環境、立場、状態を持っている人にいかに響くプレゼンをしながら、本当に自分のもって行きたいゴールまでたどり着かせるか?それが大切なのである。
僕らにとってはこの企画の背景は重要かもしれない。しかし、営業部にとっては、背景よりも早く人が来てくれること、その人が辞めずに働いてくれることが大切である。
では、僕らと営業部の同じ土俵はどこか?それは、採用したいという思いと、その人が定着して働いてくれることである。
同じ土俵で話が出来たとき、お互いの理解は一致し前向きに話が進む。プレゼンテーションをするには、プレゼンテーションする人を自分たちと同じ土俵に乗せることが大切である。
こんなこと大学時代のESSのディスカッションにおいて、コンパリゾンというところで嫌というほどやったはずだった。前提の同じ人の集まりの中でその感覚は風化していたのかもしれない。
もう一度、思い出してプレゼンをしようと思う。
理解してもらうと言うことは、相手の前提を知ると言うことである。
この本にも、六次元の発想
見える三次元
1、縦
2、横
3、高さ
見えない三次元
1、時間の流れ
2、情報などの流れ
3、人間の気持ち
というように、プレゼンの中で、人の気持ちという事を考える事を教えてくれます。