久恒先生には、二年間お世話になっています。
図解を二年間学ばせていただいたおかけで、
自分の企画力は以前とは比べ物にならないくらい上がったと思っておりとても感謝しています。
最近は、人の話しを聞いていると◯と→が頭に現れて、
頭の中で図解が行われるので、もはや中毒状態です^^;
図解に関する書籍は何冊か読ませていただきましたが、
この書籍は技術に焦点を当てているだけあって、
図を完成していくまでのプロセスが書かれていてとても分かりやすいです。
つまり、初期に書いた図から完成にいたるまでの図の変化が見える構成になっているので、
とても学びやすいまさに講義スタイルの書籍で自学自習向きだと感じました。
表題の、『私がプレゼンにフレームワークではなく図解を薦める3つの理由』。
最初に断ると、あえて「プレゼンに」と付けています。
というのは、フレームワークと図解は、使いどころが違うのだと私自身認識しているからです。
フレームワークは情報や思考の整理に使い、
図解は自分の思考の表現に使うのが有効ではないかと思っているのです。
プレゼンにおいて図解を薦めるのは、以下の3点の理由からです。
1.フレームワークは現実を要素還元し枠へ当てはめるが、図解は現実の本質を抽出して全体を再構成する。
2.フレームワークは部分の全体における位置を整理するが、図解は部分の全体における関係性を明らかにする。
3.フレームワークは一度作れば完成だが、図解は議論の中で成長し続ける。
この3点に共通する根本的な事を言うと、『フレームワークは静』、『図解は動』だというのが私の解釈です。
状況説明、現状報告をする上ではフレームワークを使ったプレゼンでよいかもしれません。
しかし、これから何かを変えていくのだ、動かしていくのだというプレゼンをする時には
変化、動きを出せる図解によるプレゼンのほうがよいと考えています。
田坂広志先生の「企画力」という書籍には、このように書かれています。
企画において語るべきは、
これから企業や市場や社会で、何が起こるのか。
そのとき、我々に、いかなる好機が訪れるのか。
では、その好機を前に、我々は何を為すべきか。
その結果、我々は、いかなる成果を得られるか。
現状から、未来への進化を語るのが企画であるならば、
静的なプレゼンではなく、動的なプレゼンを行うことがよいでしょう。
フレームワークは、『フレーム』というように『いくつかの枠』が用意されていて、
そこに現実を当てはめていくものです。
つまり、現実を要素に分けて、該当する枠に当てはめていくのが
フレームワークの考え方です。
そして、どの枠に現実を入れるかの位置の変化はあるかもしれませんが、
用意された枠自体は変化することはなく、一度作ればそこで完結です。
まさに、情報整理、思考の整理のツールであり、そこに動きは見えません。
一方、図解はどうでしょうか。
一見、要素還元に見えますが、ミソは「→」だと思うのです。
各要素の関係性を表しているのが「→」であり、これが動的するドライバーになるのです。
要素を→でつなぎ、全体の構造を明らかにするのが図解であると思っています。
そして、図解をする際に頭を捻るのが、キーワードです。
全体を明らかにするために、キーワードを考え、それを→でつなぎます。
キーワードとはつまり、その現実における『本質』部分です。
「本質」の意味とはなにか。
「本質」とは、それが無いと、その事象の独自性・唯一性を失なわせる物と定義されています。
つまり、図解において本質を抽出できないとその現実の全体をいい表せないということになります。
そして、その本質をキーワードとして抽出して、再構成をかけるのが図解だと思うのです。
そして、この再構成というのもミソで、図解は一度作れば終わりではありません。
議論をする中で必ず修正が加わり、成長をしていきます。
本書でもこのように書かれています。
『図解には、一言何かを言いたくなる不思議な魔力があります。』
議論をしながら、
新たな情報が加わったり、
新たな視点が加わったり、
新たな視座から見つめたりする中で、図解は成長していく。
一度、挙げたキーワードが議論が進む中で磨かれて
よりよいキーワードが見つかることはしばしばです。
この事もまさに、図解は動であるということが分かるかと思います。
これらの理由から、プレゼンには図解を使うことが有効であると思っています。