日々是成長

~Now And Here~

コンテンツに物語をつけるか、物語の中にコンテンツを埋め込むか

最近流行っている、ストーリー(物語り)。 これは、もともと広告論の分野から出てきた考え方で、 ある製品をいかに効率的に売るかという発想から、 顧客とのコミュニケーションツールとして、 物語りを使い始めたとのこと。 つまり、製品が所与のものであり、 その製品ありきで物語りをつくっていく。 なんとも限定的で狭い世界観なのだろう。 製品というのをコンテンツと置き換えて考えてみると、 コンテンツに物語りを付けているのである。 本来の物語りとはそうではなくて、物語りありきで、 その物語りの上にどうコンテンツを埋め込むかが重要。 大河のように流れる悠久の時の中で、 そのコンテンツの意味が付けられる。 この世界観が必要なのではなかろうか。 この話しを聞いたときに、 社会的責任のマーケティングという著書に対する 違和感の意味がわかった。 社会的責任のマーケティング―「事業の成功」と「CSR」を両立する/フィリップ・コトラー ¥3,570 Amazon.co.jp 社会的コーズ(主張)はいうなればコンテンツだ。 そのコンテンツに『対応』するための物語りを付けたのがCSRだ。 だから、それは、限定的であり、意識的であり、プロジェクト型になる。 一時的な寄付、ボランティア、キャンペーン。それらは、期間限定のプロジェクト型だ。 でも、本来のCSRというものを、本業を通じた社会貢献とするならば、 永続的であり、自主的であり、ツトメ型であると思う。 このツトメというのは、企業の使命という事になるだろう。 まさに、企業の使命、ゴーイング・コンサーンという連綿と続く物語りの中に、 如何にコンテンツを埋め込んでいいくか。 この世界観が必要なのだと思った。 前職、時代に代表が言っていた言葉。 有限責任無限責任NPO法人では、カンボジアに学校建設をする活動をしていた。 そして、ある日孤児院を作った。 代表は、学校建設は有限責任、孤児院は無限責任と言った。 学校建設においては、お金を出す、建設のお手伝いをする。 そこまでが責任の範囲。 働くスタッフや、そこでのこども達の生活に責任は持たない。 つまり、責任は限定的だ。 しかし、孤児院はそうではない。 孤児院に入るこども達の生活の全てに責任をもつ。 彼らが立派に大人として成長するまで見届ける。 その責任をもつ。 責任の範囲は無限大だ。 我々が行う社会貢献とはどうあるべきだろうか? 限定的、意識的、プロジェクト型ではなく、 永続的、自主的、ツトメ型の社会貢献ではないだろうか。 本業を通じて社会貢献する。 その意味は、我が師も言うように、 目の前の仕事に心を込めて行う。 その一点に尽きるのだろうと改めて感じました。