日本の学校教育は、この国を豊かにしたいとか、欧米に追いつくぞ!というところから始まったのではないかと思う。
豊かになるために、工業国家を目指し重化学工業を国の産業と位置づけた。
皆が豊かさを求めて、つまり
「共通の幸せ観」
を持って、教育を受けてきた。
一生懸命勉強して、会社に入って、明日の日本を作る事が自分の仕事だ!
そんな価値観だった。
だから、皆が同じ教育を受ける事が義務付けられ、皆が日本の戦力となるように教育された。
その教育がうまくいった。
そして、高度経済成長を支える、平均的な教育を受けた人間が造られた。
そして、日本は物質面で豊かな国となった。
豊かな国となり、苦労しなくてもある程度の生活ができるようになった。
すると、
みなの価値観がばらばらになる
この事はしごく当然。
みんなで豊かになるぞ!という同じ目標を持っていたが、それがなくなった。
こうして価値観の多様化が始まった。
だから、もう今のような一斉授業、戦後の教育体系は時代に合わないのだと思う。
新しい日本人としての価値観を世界に打ち出す教育をする必要がある。
日本は先進国であり、文化的にも成熟している。
それが故のフロンティアプロブレムというものに突き当たる。
環境問題、高齢化社会、少子化社会、食糧問題、人口問題、挙げればきりがない。
こういった前例のない問題に立ちはだかっていく先頭を切るのが日本をはじめとする先進国人でなければならないのではと思う。
私達は豊かになった。だからこそ、豊かでない国や弱き人に対して責任がある。
だからこそ、世の中に価値を創出できるような人材を育てていかなければならない。
これが、高度経済成長をささえる教育からの日本の人材教育論の転換であると思う。
世の中に対して価値を生み出していく人材を育てるための教育。
これが、ベースとなる時代に今後なるだろう。