外食のアルバイト採用の今までの常識その1
長期メンバー募集
外食の仕事は、接客や調理といった短期間で習得し難いものです。ですから、基本的には長期前提で勤務してもらえないと、雇用側の教育コストがかさんでしまいます。
しかし、現在の労働観としては、
「すぐには属したくない」
とか
「ちょっと試しに働く」
という感覚を持った方が多くなってきました。ですから、長期メンバーを募集する採用方法は現在の労働者市場には合わない募集の仕方となってしまいました。
これも価値観の一つの変化なのかもしれません。
以前は、仕事を与えてもらう事が大変だった。だから、仕事をもらえればそれを大切にしようという気持ちが強かったのだろうと思います。
しかし、今では仕事は選ばなければいくらでもあります。であれば、試しに働いてみて、自分に合う仕事なら続けよう、合わなければすぐに辞めてしまおうという事が許される時代になったのだと思います。
もちろん長期メンバーが全く採用できないわけではありません。長期メンバーと短期メンバーの組合せでシフト組みを行う力が今後店長に求められていきます。
ただ、現実を言えばこのような事がしばしば起こります。
長期希望者でも短期で辞めてしまう。 短期希望者でも長期で働いてくれるようになる。
この事が起こります。
では、なぜ長期希望者でもすぐに辞めてしまい、短期希望者でも長期で働くメンバーとなってくれるのか?
それは、結局どこまでいっても一つのことが大切だからです。それは、
「受け入れ」
これによります。
どれだけ温かく新しいメンバーを受け入れることができるか。仲間として認められるか。
その事が大切です。
初日に来たら、新品のユニホームと名札がある。
スケジュール帳にはしっかり名前が書かれている。
更衣室に入ると、歓迎のメッセージが書かれている。
初日勤務終了後には、店長からどうであったか?の声掛がある。
こんな一つひとつの受け入れ行動が、彼らの気持ちに
「安心感」
を与えます。誰でも、初めて行く職場は不安です。その不安をいかに取り除いてあげるかが大切です。
その事ができる店長とできない店長とでは、メンバーの定着度に差が現れてしまいます。
受け入れが悪ければどんなに長期で働きたいと志願していたメンバーでもすぐに辞めてしまいますし、受入がよければ、短期前提でも続けてくれたり、期間がくるまで協力しようと思ってくれたりするものです。
この事に気づかねばなりません。
短期メンバーも、
「短期だから教育してもしょうがない」
というスタンスでは、人材を集めても定着にはつながりません。
たとえ今日一日しか働かないメンバーでも、その日そのお店で働くのであれば、
そのメンバーは紛れも無くそのお店の大切なメンバー。
他のメンバーとどこに違いがあるのでしょう。
違いなんてありません。
同じです。
店長が持つお店に対する思いを全力でぶつけねばなりません。愛情を注がなければなりません。
それが、今後の店長に求められる店長力の一つです。
それができた時、たとえ短期前提で採用しても、長らくお店のメンバーとして働いてくれます。本当に限られた期間しか働けなくても、その限られた期間を精一杯協力してくれます。
それが、メンバーのこの店長に協力したいという「こころ」にほかなりません。