自己組織化とは、混沌とした状態の中から、ひとりでに秩序や構造が生まれることである。
例えば、通常、多くの人々により混雑する駅のホームでも、遠足の小学生などは、教師の指揮のもとに整然と列を作って並んでいる。
このように、一般には、組織化を行い秩序や構造を作るためには、外部からの命令や制御が必要であると考えられる。
しかし、例えば、アリの生態においては自己組織化が観察される。すなわち、通常、アリの集団は全体の20%が懸命に働き残りの80%は怠けているといわれるが、そこで働きアリの集団と怠けアリの集団を分離すると、再び各集団ごとに働くアリと怠けれるアリとがひとりでに分化してくる。
自己組織化は、生物の細胞などでは通常観察されるような現象であるが、この例のように、社会組織や企業組織、さらには宇宙の構造の形成や人の心の成長などの現象においても観察されるプロセスである。