仕事の思想/田坂広志/p222
夢を描く私たちに問われるものは、
「その夢を実現したか?」
ではありません。
私たちに問われるものは、
「その夢を実現するために、力を尽くして歩んだか?」
という事なのです。
問われていることは、そのことだけなのです。
だから、私たちは、夢が破れることを恐れる必要はない。
それを恐れることなく、大きな夢を描けばよい。
その夢の実現を、こころの底から信じればよい。
そして、力を尽くして歩めばよい。
そして、力を尽くして歩んだあと、私たちのなすべきことは、ただひとつ。
未来に思いを馳せることです。
我々が去った後、いかなる夢が花開くのか?
その問いを胸に、未来に思いを馳せることです。
そして、力を尽くして歩み、未来に思いを馳せるとき、
私たちのなかには、祈りのごとき覚悟がやってくる。
我々は、後生を待ちて今日の務めを果たすだろう。
その覚悟が、静かにやってくるのです。