全ての出会いには必ず意味がありますね。
しかも、必要なタイミングで必ず現れて、 遅過ぎも早すぎもすることが無いのが不思議です。
田坂広志 「風の便り」 特選 第99便
不幸な「出会い」
若き日に政治の世界を志し、代議士になり、 その純粋さゆえに、挫折し、自ら命を絶った青年が、 初めて選挙に出たときに残した、 次のような詩があります。
今朝、駅前の街頭で、 ビラを渡そうとした私の手を払いのけ、 目を交わすこともなく、 通り過ぎていったあなたへ。
私たちの出会いは、 不幸な出会いであったかもしれない。
けれど、それでも、私は、 あなたと出会えて良かった。
出会えなかったよりも、 出会えて良かった。
この詩を読むとき、我々は、 一つの真実に気がつきます。
良き出会いだけが、 出会いではない。
本当は、
すべての出会いが、 大切な意味を持っている。
そのことに 気がつくのです。
2003年3月13日 田坂広志