日々是成長

~Now And Here~

その人の可能性を信じるということ

教育において最も大切な事は、 その人の可能性を信じることだ。 師からの言葉を聞き、ハッとしました。 私は、部下を持った経験から、 教育にとって大切な事は、 ①決して相手をあきらめないこと ②惜しみなく自分の時間を相手にささげること というように考えていました。 しかし、この「あきらめない」というフレーズは 確かに間違えではないが、しっくりこないところがありました。 『その人の可能性を信じる。』 まさに自分が思っていたことはこれだと思いました。 その言葉を聞きながら、以前本で読んだフレーズを思い出しました。 成功する人の条件は、『自分を信じることのできる人であるかだ』という意見。 それは、確かに大切だが、もっと大切な事があと2つある。 2番目に大切なこと、それは、 『人を信じることができること』だ。 そして、最も大切なこと、それは、 『自分を信じてくれる人がいること』だ。 私はこのフレーズを読みながら、思わず涙を流しました。 それは、私を大切に思ってくれた祖父の言葉を思い出したからです。 私の祖父は、その地域でも有名な頑固者で、恐れられていた存在だったそうです。 その祖父に初孫である私が生まれました。 人が変わったかのように、祖父は私を可愛がってくれたそうです。 私はやさしい祖父しか記憶にありませんので、恐かった祖父を想像できません。 その祖父に私はいつもこう言われていました。 『まさひろ。お前は、本当にいい星の下に生まれたんだからな。』 事あるごとにそう語りかけられ、こどもの私は、 素直に自分は『いい星の下に生まれたのだ』と思うようになりました。 その祖父も、私が小学5年生の時、64歳という若さでこの世を去りました。 今思うと、その時から祖父との対話が始まったのかもしれません。 人生においてつらい場面、決して生涯誰にも語ることのないであろう、 「棺桶まで持っていく経験」 そのような場面でも、空を見上げ、祖父を思いながら、 「じいちゃん。おれは、いい星の下に生まれたんだよね。 だから、きっと意味があって起こっている事なのだよね。」 と、目の前の現実を受け止めてきたと思います。 以前、師から頂いた言葉 『天地一切のものと和解する』 師からの言葉の中で、一番大切になる言葉だろうと直感している言葉。 そうか、じいちゃんが師をおして私に語りかけてくれた言葉なのだ そう思いました。 私は今、教育業界にいて、小学2~4年生のこども達と向きあっています。 ここ最近、なぜ”今の子達”は、こうなんだろうか?と思ってしまう場面がありました。 今の子と昔の自分を比べて、昔はそうではなかったというレッテルを貼ってしまいそうでした。 そうだ、 私がこの子達の可能性を信じてあげられないで、 この子達の未来が拓けるわけがない。 彼らの可能性を信じ、その可能性を拓くためのお手伝いをするために 自分はいるのではなかったか。 『人生の成功に必要なこと』 という言葉を、 『自分の力で自分の道を切り拓いていくために必要なこと』 と置き換えても相違はないはずです。 自分の人生を切り拓く上で、自分を信じてくれる人がいることが、 最も大切な事ならば、私がこの子達を信じる人になろうではないか。 その役割の自分が、こども達の可能性を信じてあげられなくてどうする。 そう反省いたしました。 教育において最も大切なこと、 『その人の可能性を信じること』 身を持って実践してくださった祖父に、 死してなお、今でも私を育ててくれている祖父に、 師をして未熟な自分に、今ここで気付けと語りかけてくれた祖父に、 感謝したいと思います。