「追体験」 この言葉を考えるとき 父との対話を思い出します。 私が中学一年生から大学生になるまでの7年間 父は単身赴任で長野県で勤務をしていました。 しかし、毎週金曜日になると埼玉の実家に 必ず戻ってくるという生活を送っていました。 決まって土曜日の夜中、妹二人が寝静まった頃、 「おい、兄ちゃん、行くぞ」 と、言われて近くのラーメン屋やすし屋に連れ出され、 今週あったことの報告をしていました。 それは、学校での出来事であり、家での出来事であり。 中学生になり、単身赴任が決まったとき父からは、 「かあさんと妹二人を頼むぞ。男は兄ちゃんだけだから」 と言われ、こどもながら背筋が伸びたことを思い出します。 そうやって、毎週毎週自分が今考えていることや ある出来事に対してどう思ったかを父に伝え、 父からアドバイスをもらいながら一週間にけりをつける という事を続けていました。 私にとっては、それが追体験の場であり、 父からの知恵を掴んでいた場であったのだと思います。 大学生になった98年。インターネットもだいぶ普及し始め、 2000年から私はホームページを作成しだしました。 内容は、私がESSという団体で学んできたことを 卒業前に整理したいという思いと、 せっかく整理するなら後輩達に公開しようという思いからでした。 ディスカッションのテクニックに関してや心得みたいなものを書いてアップをしていました。 今のブログのように気軽なものではなかったので、 結構大変でしたが、これも私の追体験の結果です。 2009年、前職を卒業し次の職に就くまで、3ヶ月間休みを取りました。 その期間に私が行ったことは、前職での学びを100の話しにまとめるということでした。 現在ブログにて公開をしているものはまさにこれです。 私は日記は書きませんが、節目節目での振り返りを怠ったことがありません。 いつの間にか習慣化していました。 その原体験は、父との毎週末の対話であったのだと思います。 父から人生における素敵な財産を頂いたことに感謝したいと思います。