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田坂広志 「風の便り」 ふたたび 第158便
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「志」と「野心」
学生時代、北海道大学を訪れたとき、
多くの人々が知る銅像を見ました。
大学の前身、札幌農学校の創設者であり、
マサチューセッツ農科大学の学長でもあった、
ウィリアム・スミス・クラーク博士の銅像です。
その像の下には、
クラーク博士の残した有名な言葉が
英語で書かれていました。
Boys, be ambitious!
「青年よ、大志を抱け」と訳され
人々に語り継がれてきたこの言葉を見たとき、
その翻訳の巧みさに感心しながらも、
この言葉の持つ「危うさ」を感じました。
なぜなら、この「ambitious」という言葉には、
正反対の二つの意味があるからです。
「理想」や「使命感」に支えられた
「大志」や「大望」
「功名心」や「権力欲」に支えられた
「野心」や「野望」
不遇の晩年を送ったクラーク博士ですが、
もとより、その本意は前者にありました。
しかし、いま、世の中を見渡すとき、
この言葉の持つ「危うさ」が
現実となっていることに、気がつきます。
「志」と称して、「野心」を語る。
その錯誤が、
いま、世に溢れていることに
気がつくのです。
2005年3月14日
田坂広志
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田坂広志 「新しい風」 日本文化の力
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田坂です。
日本教文社が発行する雑誌、
『光の泉』2010年2月号の特集に、
インタビュー記事が掲載されました。
特集のテーマは、
「日本文化の力」
私のインタビュー記事のテーマは、
「日本文化の底流にある主客一体の思想」
です。
日本という国の文化には、
極めて深い思想が宿っています。
その一つが、「自他一体」「主客一体」の思想でしょう。
自分と相手を分離しない。
自分と世界を分離しない。
それらを本来一つのものとして見る。
その深い思想があるのです。
そして、その思想の深みから見るならば、
近年、地球環境問題の中で語られる言葉、
「共生」
という言葉さえ、まだ、
「自他分離」「主客分離」の世界の言葉であることに
気がつくでしょう。
なぜなら、日本には、
「自然」(じねん)
という、さらに深い言葉があるからです。
このインタビューでは、そのことを述べました。
このインタビュー記事に興味のある方は、
私の公式ブログ「新しい風」をご覧ください。
http://blog.hiroshitasaka.jp/
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「風の対話」 「生き方の心得」シリーズ
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今週は、これまでお送りしてきた「風の対話」より、
「生き方の心得」シリーズ
第1回 決める
をお送りします。
人生とは、
様々な「行為」の連続に他ならない。
では、それぞれの「行為」において、
大切な「心得」は何か。
そのことを、人生において大切な
「10の行為」について語りました。
このシリーズでは、全10回にわたって、
次の話をしています。
第 1 回 決める
第 2 回 選ぶ
第 3 回 別れる
第 4 回 信じる
第 5 回 賭ける
第 6 回 捨てる
第 7 回 続ける
第 8 回 諦める
第 9 回 終わる
第10回 生きる
この番組では、この第1回について聞いていただけます。
この番組をお聴きになりたい方は、
下記のサイトをご覧ください。
http://www.sophiabank.co.jp/audio/japanese/2004/10/post_275/
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このメッセージメール「風の便り」は、
田坂広志がご縁をいただいた方々、
「未来からの風フォーラム」のメンバーの方々、
「社会起業家フォーラム」のメンバーの方々に
お送りしています。
この「風の便り」は、皆さんの友人や知人の方々へも、
遠慮なく、送って差し上げてください。
ささやかな縁と共感の輪が広がるならば、幸いです。
この「風の便り」への返信メールは、
私の個人アドレスに届きます。
ご意見やご感想をお送りください。
mailto:tasaka@hiroshitasaka.jp
新たな時代の生き方と働き方を学ぶコミュニティ、
「未来からの風フォーラム」と
http://www.hiroshitasaka.jp/
新たな時代の社会起業家をめざすコミュニティ、
「社会起業家フォーラム」の
http://www.jsef.jp
サイトもご覧いただければ、幸いです。
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