日々是成長

~Now And Here~

課題を探す      ⇒  感情の反動に注目する

部下が本当にやりたい事はなんだろう?

部下がやりたいことと、会社の方針が一致する課題はなんだろう?

そのように考えながら、部下に対する課題設定を

考えるマネジャーは少なくないと思います。

しかし、部下が本当にやりたいことと会社の方針を一致させるのは難しく、

そもそも、部下が本当にやりたいと思っている事は、

そうそう本音として言わないかもしれません。

自分のこだわり

自分の領域

これだけは誰にも負けたくない

これだけはゆずれない

こんな思いが、覚悟になっていくと思うのですが、

結構このような感情は、ある感情の反動によって

生まれてくるのではないかと思っています。

例えば、

満たされ続けると、その反動で、与えたいという方向に向かう

後悔すると、その反動で、二度と同じ過ちは繰り返さないと思う

以前こんな事がありました。

学生の就職面接の時に、ある女子学生がこんな事を言いました。

『人生で一番頑張ったのは、大学時代のスピーチです。

題目は、母への感謝です。

そのスピーチは、予備発表の段階でコテンパンに駄目だしされて

何度も諦めようと思いましたが、

諦めずに挑戦して、本選では準優勝をしました。』

この話を聞いて、おかしいなと思いました。

なんで、大学生にもなって、母親への感謝のスピーチを

こんなにもこだわってやるのか。母親への感謝ならば、

母の日や誕生日などを使って、母親に直接伝えればいい。

たくさんの聴衆の前で、なぜ母親への感謝なのか?

もしかして、彼女と母親の中に何か後悔していたり、

やりたくてもやれなかったことがあるのではないか?

と思いました。

彼女に聞きました。お母さんとの間に何かあった?

離婚してもう会えないとか、グレて迷惑かけたとかさ。

すると彼女は言いました。

もう、母には会えないんです。母は亡くなりましたから。

だけど、なんで母との間にそのような事があったのか

と思ったのですか?

彼女が、母親への感謝にこだわった理由がわかりました。

もう伝えたくても伝えられない。だから、この感謝を伝えたい。

そして、母からもらった愛情を他の誰かの為に注ぎたい。

それが、彼女の思いでした。

大切な感情は、反動から起こるものなんだ。

僕は、彼女にそう伝え、だから、その覚悟を大切にしてね。

と結びました。

日々の部下とのコミュニケーション、対話の中で、

本音としてはなかなか言わなくても、シグナルとして

感じ取れるものはないか注目してみる必要はないでしょうか?

そこに、部下が本当にやりたいこととして命がけで

事に当たってくれる事業が創出されるのではないかと思っています。

日々の仕事で、あれ?もしや部下はこんなこだわりがあるのかもしれない。

そんなシグナルを感じ取ってください。