日々是成長

~Now And Here~

第八十一話 言葉では伝わらない何か

言葉の本質は、

純化、構造化、論理化

つまり、複雑に絡み合うアナログな世界を単純に捉えようとする。

構造化したり論理化したりして、理解しやすいようにする。

という事は、結局はその時に

「大切な何か」

が伝わらない事がある。

では、その伝わらない部分。

言葉にならない部分はどうやったら伝わるのか

もうそれは、同じ空気を吸って、同じ場を共にしながらでしかない。

つまり、直伝とか伝授といったものになる。

伝統もそうやって作られていく。

一流の大工さんが本を書いたとして、その本を読んだからといって、

その大工さんみたいな技術が身につくか?

といったら決してそうではない。

その大工さんの弟子となり、

言葉にならない「感覚」の部分を身に付けていかなければならない。

長島監督のコーチ法は

「球がビューっときたら、ヒュッって振るんだ」

というもの。言葉にはできないん感覚を伝えようとしている。

長島さんの定義する、「ビュー」とか、「ヒュッ」ってものを、

同じ空間を共有する中で学んでいかなければならない。

どんなに文明が発達しても、結局人は、対面でしか本当のコミュニケーションはできない。

たくさんの経験を持ち、たくさん自分の言葉を持つ。

そして、たくさんの人と同じ空気の中、

同じ場を共有して物事を伝えらられるようになりたい。

われわれは、言葉で語りつくした後に、言葉では語りえない何かを身につけるだろう。

ある哲学者の言葉。