日々是成長

~Now And Here~

「風の便り」第93便 「言葉」がもたらすもの

 昔、幼稚園を訪問したとき、  そこで耳にした、無邪気な会話を思い出します。  先生が、園児の一人、オサム君を誉めました。   オサム君は、本当に、良い子ね。  そのとき、嬉しそうなオサム君の横にいた  ノリコちゃんが、悲しそうに、聞きました。   じゃあ、ノリコは、悪い子なの。  この無邪気な会話を思い出すとき、  「言葉」というものの本質に、そして、その怖さに  気がつきます。   「世界の分節化」  「言葉」は、それを語った瞬間に、  本来一つであった世界に「境界」を持ち込み、  その世界を二つに「分節化」してしまうのです。  そして、我々の心は、いつも、  その「境界」において、  葛藤を生み出し、苦しみを味わうのです。   では、なぜ、我々に「言葉」が与えられたのか。  そのことを考えるとき、我々は、  人間の心の成長の  不思議なプロセスに気づくのかもしれません。

【感想】

私が生涯かけて行いたい事は、

「青空」という「言葉」を伝えることです。

言葉は、物事を捉えやすくするために人間が考えた 道具です。

しかし、言葉は100%その事象を表すことが出来ません。

「青空」と私が発した時に、

私と同じ青空をイメージできる人はいません。

雲ひとつ無い青空なのか?

青の色合いはどうか?

どの土地から見えるものか?

これらを100%私と同じイメージを出来る人はいません。

それが、言葉の限界です。

ある事象から、それらを言葉を使って取り出した時に、 捉えられないものがあります。

しかし、ではそれを語れない事をあきらめてしまうのか?

それは違います。

言葉しか私達には物事を伝える道具はありません。

その言葉の限界を受け止めて尚、自分の思いを100%伝えようと 努力する中に、葛藤や苦しみがあり、

成長があるのだと思います。

そして、100%の気持ちが相手に伝わった時に、

その言葉は、

「その人の言葉、その人なりの言葉」

と定義付けられるのだと思っています。

自分の言葉を持つ。

自分の言葉で語る。

生涯大切にしていきたい事です。

ありがとうございました。