どの企業も考える事。
優秀な人材には、自社にいつまでも残って欲しい。
ということ。 しかし、先にも述べたように、一社の商品では市場を押さえる事ができず、異業種間で提携して、商品生態系をつくり、その商品生態系を育てていくという時代になり、
企業を横断的に活躍する人材、ICが現れるのであれば、
人材を囲い込むという戦略自体が意味を持たないものになる。
人材は流動する。
その前提に立って、人材戦略を立てねばならない。 その会社を巣立っても、その会社と一緒に仕事をしたい。 そう思ってもらえる会社にならねばならないということだと思う。
退社というのはその会社との関わりを断つということではなく、 退社とは、その会社との関わり方が変わるということを意味する
という価値観を持てる様にならなければならない。 そもそも、入ってきた新入社員が50人だとして、その50人全員が社長としてその会社に残る事は絶対にない。
なぜなら、社長のポストは1つだから。
ピラミッドの上に階層が狭まって行くたびに、昇進する者と社を去っていく者に別れるのは、当然のこと。 その時、優秀な者に自社に残ってもらい、優秀でないものに去ってもらうという考え方は間違っている。 去ったものとはかかわりはもう無いというのも間違っている。
50人なら50人みな縁あって採用した仲間。
優秀な人材であるはず。であれば、社の内外に問わず、活躍してもらえるよう考え方を変えていかねばならない。
外に出ても、一緒に仕事ができる環境。
それが、祝福される環境。
そういうものを作っていかなければならない。
人材は囲い込むものではない。
流動するものだという前提で、互いに手を取り合っていく為の環境づくりが必要となる時代が来る。