|---田坂 広志

「風の便り」第97便 プロフェッショナルの眼差し

 昔、大学時代の友人たちと、
 車でスキーに出かけたときのことです。
 そのドライブの最中、ある田舎町で、
 水道工事のための渋滞に遭遇しました。
 長蛇の列の中で、
 徐行をしながらその工事を見ていると、
 すぐに作業は終わりそうにありません。
 少しも前に進まない車の中で、
 友人たちが工事現場を眺めているとき、
 不思議なことに気がつきました。
 友人の一人が、真剣な眼差しで、
 その工事現場を見つめていたからです。
 そのとき、すぐに、その理由を解しました。
 彼は、ある自治体の水道局に
 就職した友人だったのです。
 それは、仕事が面白くなってきた
 時期だったのでしょう。
 
 彼は、その工事を、
 単なる「通行の障害」として見るのではなく、
 「自分の仕事」として見つめていたのです。
 そのとき、
 その真剣な彼の横顔が
 教えてくれたものがあります。
  プロフェッショナルの眼差し
 我々が職業の道を歩み始めるとき、
 最初に身につけなければならないのは、
 その眼差しであることを、
 その横顔は、教えくれたのです。

【感想】
今回思い出したのは、

仮配属期間を終えた新入社員たちの目つきの変化です。


3年間、現場で14名の新入社員の仮配属期間を
預らせていただきました。

4月に入社した新入社員は、6月一杯まで教育店舗に
何名かで配属され基礎技術の習得を行い、本配属として各々別店舗へ
巣立っていくというカリキュラムが組まれます。

最初は学生から上がったばかりで、受け身の気持ちで仕事をしている
彼らも、うまくいかなかったり、失敗したり、悩んだり、を繰り返して、
仕事を覚えていきます。

自分よりも年下のアルバイトさんから仕事を教わる事が多いので、
謙虚になるのが難しい子も中にはいます。

そんな彼らも3ヶ月を過ぎると、目つきが変わります。

仮配属を終えて、本配属となるその日、
成長したなという気持ちで彼らを送り出します。

その時、思うこと。

それは、彼らが仕事を受身でするのではなく、これが自分の仕事だ、
この仕事に責任を持ってやるのだという思いを感じます。

全てが自分事となったとき、目つきが変わります。

まさに、それがプロフェッショナルへの始まりなのだろうと、思います。

2008-06-17 | Posted in |---田坂 広志No Comments » 
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